SECTION 1
川名春美さんのケース
氏名 | 川名春美 |
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生年月日 | |
セミナー受講年 | 第8回令和1年11月 |
担当講師 | 福田知恵子 |
テーマ | |
勤務医院 | 医療法人社団植木歯科医院 |
家族構成 | 夫、子供3人(長男6才・次男4才・三男2才) |
略歴 | 新大阪歯科衛生士専門学校 夜間部を平成23年に卒業。 大阪府吹田市内にある歯科医院にて2年半勤務。 結婚にて埼玉県に移動。妊娠出産で約6年勤務なし。 夫の転勤で鳥取県に転勤し、歯科衛生士再チャレンジ研修会に参加。 翌年5月から植木歯科医院にて火、水、金の週3日 時短勤務。 |
SECTION 2
インタビュー
大阪に旅行気分で入試を受けた高校3年生
──出身である沖永良部島には歯科医院の数が少なく、歯科衛生士の存在を知りませんでした。高校三年生の進路に迷っていた私は、とにかく島を出たかったため、担任にあれこれ言い訳をしながら進路を決定せずにいました。担任と進路について話をしていた時、たまたま虫歯予防のポスターが目につき、適当に「都会に出て、歯医者で受付や助手のバイトをしながら考えようかな」と言ったことから歯科衛生士への道に繋がりました。
兄弟が多く母親に進学費用で迷惑をかけたくなかったので、当時は就職しか考えていませんでした。しかし担任が、資格があった方が私の為になると色々と調べて、夜間部のある専門学校を提案してくれました。迷っていましたが母親と姉の後押しでとりあえず試験を受けてみる事に。もちろん、大阪に旅行気分で入試を受けたので、受かっているとは思ってもいませんでした。合格通知をもらった時は、「歯科衛生士の夢を叶える!」という気持ちより、驚きと島から出られる喜びの方が大きかったです。
昼間に歯科のバイト、夜は学校
──夜間部の3年制に進学します。年齢や経歴が様々で、歯科助手や受付として働きながら衛生士の資格を取りに来ている方が多く、経験者ばかりでした。一方私は、入学してから歯科衛生士の仕事内容や役割を知りました。学費は援助してもらいましたが、生活費と賃貸代は自分で稼がないといけなったので、昼間に歯科のバイト、夜は学校で毎日あっという間に過ぎていたように思います。自習や媒体作成も大変でしたが、国家試験勉強は学生時代の中で一番勉強した思い出です。
無事に卒業、国家試験合格を経て、歯科衛生士となりました。
妊娠出産の事を言われ仕事が見つからなかった
──吹田市内の歯科医院に努めている時に夫と知り合い結婚をします。埼玉県で勤務していた為、退職し移動。埼玉ではパートタイムで仕事を探しましたが、妊娠出産の事を言われ仕事が見つかりませんでした。その後長男次男を妊娠・出産し、三男妊娠の時に鳥取県に転勤の話が出て、 三男を出産し鳥取県境港市に移動になりました。
再チャレンジ研修に参加
──三人目を妊娠中から復帰したいという思いが強くなりました。というのも、歯科に関しての情報が家庭に入ると入手しにくく、技術も知識も忘れてしまっているのではないかと不安に思う事が多かったからです。そんな時に、チラシか歯科医院に貼っていたポスターかはあいまいですが、"歯科衛生士再チャレンジ研修"を目にし、"無料"も魅力的だったので参加してみる事にしました。
研修会では、フリーランスで衛生士をされている福田さんが講師として、知識や技術を講義してくださいました。忘れている知識や、久しぶりに使用したハンドスケーラーの自習、アルジネートの練和やセメント練和。どれも久しぶりで新鮮でとても楽しかったです。
研修会の後に、就職案内相談のブースで植木先生に声を掛けて頂きました。
就職活動や再就職において難しいと感じたことは多くあります。子供達が通い慣れてきた園を変更せずに、預かりの範囲で仕事が出来る事。扶養範囲内で働けること。なるべく土日休みであること。夫の出張が多いことや親族が近くにおらず、何かの時に預け先が無いこと等が挙げられます。再チャレンジに復職支援の方が来ており、その方がハローワークで相談に乗って下さって植木先生をご紹介して頂きました。植木歯科医院では訪問診療をしており、パートタイムで訪問を中心に復帰するのはどうかと提案してもらいました。
勤務時間や子育ての事を優遇してくださるとの事だったので、相談してみようかと思い面接をお願いしました。
復帰してから
──復帰後は、私も子供達も慣れない生活リズムや体調の変化、気持ちの切り替えが難しく両立に戸惑うばかりでした。衛生士の仕事は、覚える事も忘れていたことも多く、ブランクを埋める事に精一杯でした。患者様と話をする事は楽しく、何より自分が人のために役に立っているのだと思えたことで、復帰して良かったと思います。育児との両立で大変ですが、自分の時間を大切に出来るようになったと思います。
復帰する時には色んなことを考えましたし、パートタイムで働くことの難しさは改めて痛感しました。しかし働きやすい職場環境と、協力して理解してくださる院長先生を始めス タッフの方のおかげで、復帰が出来たのだと思います。生活環境などは様々ではありますが 私の体験が少しでも役に立てればと思います。
このような機会をくださりありがとうございました。