鳥取県西部での歯科衛生士の不足

鳥取県西部に歯科衛生士が少ない主な理由の一つは、その地域に歯科衛生士を養成する専門学校が存在しないことです。鳥取県東部と隣接する島根県東部には歯科衛生士学校があり、そこからの卒業生が地元や近隣地域で就職することが多いため、西部地域には資格を持つ人材が流入しにくい状況にあります。このような教育機関の分布は、地域における専門職の供給に大きな影響を与え、特に地理的に隔絶されがちな地域では顕著な人材不足を招くことがあります。

山陰での学校
鳥取県立看護大学（鳥取市） - 歯科衛生士教育を行う専攻が設置されています。
島根県立大学医学技術学部（出雲市） - 歯科衛生学科があり、歯科衛生士の養成を行っています。
松江歯科衛生士専門学校（松江市） - 歯科衛生士の養成に特化した専門学校です。

地元の歯科衛生士学校の卒業生がその地域内で就職しやすい状況にあるのは、地域社会に密着した教育機関の存在が、学生と地元の医療機関との強いネットワークを生み出しているためかもしれません。このような状況は、卒業生が地元で就職しやすい環境を提供する一方で、他地域からの求職者には就職のハードルを高めることにも繋がります。このため、地元の学校がない鳥取県西部では、特に歯科衛生士の確保が難しくなっている可能性があります。

そのため鳥取県西部歯科医師会では歯科衛生士再チャレンジセミナーを開催しています。

鳥取県での歯科衛生士の有効求人数

※2024年10月調べ
有効な求人がどれだけあるのかはお問い合わせしなければわかりませんが、30件～50件程度、歯科衛生士の求人情報がありました。
それだけ鳥取県において歯科衛生士の需要が高まっています。

鳥取県で歯科衛生士の求人数が多い理由
鳥取県における歯科衛生士の求人が比較的多いのは、以下の要因によるものです：

人口減少と医療従事者の偏在: 鳥取県は日本の中でも特に人口が少なく、また人口減少が進んでいる地域の一つです。このような状況では、特に若い世代の医療従事者が都市部へ流出しがちで、地方では医療従事者が不足しがちになります。歯科衛生士も例外ではなく、地方での需要に対して供給が追いつかないことが多いのです。

高齢化に伴う口腔ケアの需要増: 鳥取県は高齢化率が非常に高く、これに伴い高齢者の口腔ケア需要が増加しています。高齢者は虫歯や歯周病の予防だけでなく、摂食や嚥下の支援が必要なケースも多く、これらを専門的に扱う歯科衛生士の役割が重要になっています。高齢者施設や訪問歯科サービスでの求人が増えているのもこのためです。

働き方の変化による求人の増加: 近年、ワークライフバランスの重視やパートタイム労働の推進が進んでおり、特に女性が多い歯科衛生士の職場では、フレキシブルな働き方を求める声が大きくなっています。これにより、一つの医療機関で複数の歯科衛生士を雇用するケースが増え、求人が多くなっています。

教育機関の不足: 鳥取県内には歯科衛生士を養成する教育機関が限られており、新たな人材を県内で育成することにも限界があります。その結果、県外からの人材を積極的に募集する必要があり、求人が多くなっています。

これらの要因が組み合わさることで、鳥取県では歯科衛生士の求人が他の地域に比べて多くなっているのです。このような背景を理解することが、地方での歯科衛生士不足の問題に対する対策を考える上で重要となります。

[公共職業安定所]ハローワークとの連携

歯科衛生士再チャレンジセミナーでは、ハローワークの職員の方にセミナーにお越しいただき、有効求人の紹介を行っています。
※2024年第13回以降は中止

また、ハローワークの職員の方にお越しいただかない年でも、歯科衛生士に再就職ご希望の方に再チャレンジセミナーをご紹介いただいております。